秋になってもハモは旨い!
ハモと言えば夏が旬とよく言われるが、実は秋にもう一度、ハモが美味しくなる季節がやってくる。この秋はそんなハモを求めて、福岡県豊前海沿岸の町にでかけてみよう

はも【鱧】ウナギ目ハモ科の海水魚。昼は砂や岩の隙間で休み、夜は獲物を求めて海底を泳ぎ回るため、主に底びき網で漁獲される。日本では瀬戸内海や、福岡県東部に広がる豊前海沿岸に多く見られる。

今回の特集のためにハモを使ったイメージ料理を料理研究家の佐藤彰子先生に作っていただいた。「淡白な味わいなのでどんな食材とも合わせやすいですね」

写真は『牡丹ハモの椀(上)』、『ハモの棒すし(下右)』、『ハモの煮こごり(下左)』。ハモ料理はバリエーションも豊富
ハモ(鱧)といえば、夏の季語でもある高級魚。確かにハモは7〜9月の産卵期前に沿岸部まで寄ってくるので、6〜7月が最も漁獲高が増えると言われる。しかも産卵を控えて栄養を蓄えたハモは、丸々太って美味しい。実はハモには再び美味しくなる季節がある。それは産卵を終え、痩せたハモが、食欲を増して急激に太っていく10〜12月。秋ハモ、落ちハモとも言われ、夏のハモとはまた違った旨味あふれる旬を迎えるという。
ハモの身は柔らかく、独特な弾力性で歯ごたえもあり、淡白な味でありながらも深い旨味を合わせ持つ、上品で繊細な味わいが特徴だ。細かい骨を骨切りして食べるハモにはカルシウムも豊富で、他にも、たんぱく質、ビタミンD、コラーゲンも多く含まれているので、骨や血管、肌や筋肉の健康維持に効果が期待できる。
天ぷら、フライ、白焼き、タレ焼き、湯引きや吸い物、すき鍋、しゃぶ鍋…何にでもバリエーション豊かに馴染むハモ。
この秋、もう一つの旬を迎えるハモの美味しさをぜひとも実感してもらいたい。