豊前海でハモを獲る!
ハモの産地で知られる『豊前海』ではハモ漁が盛んに行われている。褐色の背に真っ白な腹。網の中で力強く体をくねらせるハモは、神々しく生命力に満ち溢れていた。

形の良いハモが獲れると、漁の疲れも癒される

網の中でもハモの白い腹はとてもよく目立つ

丸い目はかわいいが、大きな口はどう猛。仲間のハモにもよく噛みつく

宇島のベテラン漁師・川上喜久雄さん(写真左)と、独立を目指す田中大樹さん

夜明けの美しい風景に包まれ、底びき網漁もいよいよ終盤

大きなエイが網に入るのは困りもの

クマエビ(アシアカ)やヨシエビ、クルマエビなどのエビ類もよく網に入る

漁師になって3年目という大丸勇也さん

大丸さんの出荷作業をよく手伝ってくれる大切な相棒・渡邉志保さん
豊前海は、この日、ほぼ風もなく、波も静か。月明かりがゆらゆらと海面に映るほどに穏やかな夜だ。豊前海のハモ漁を見たいと、豊前市宇島の漁師・川上喜久雄さんの底びき網漁船『喜久丸』に同乗させていただいた。
『喜久丸』は宇島漁港からそう離れていない沖で漁を開始。水深は約12m、船の速度は3ノット。ゆっくりとしたスピードで海底に沈めた網を引く。ハモはふだん砂の中に隠れているが、夜になると餌を求めて海底付近を活動する。『底びき網』は、そうした海底で活動するエビや魚たちを狙って、袋状の網を引く漁法だ。
網を引き始めておよそ45分後。慌ただしく網を上げる作業が始まった。引き上げられた網の中にはさまざまな魚介類が入っている。その中でも、真っ白い腹をくねらせ、ひと際目立っていたのがハモだった。その姿は生命力に満ち溢れ、神々しく輝いて見える。網の口を緩めると、中身が一気になだれ落ちる。そこからハモだけを器用にハモバサミで捕まえ、水温15℃程度に調整した生簀に入れて、活かしておく。ハモは鋭い歯と力強いアゴを持っているので、慣れた漁師でも素手で触るのはとても危険だ。漁は深夜24時頃から開始し1時間毎に網を引き、朝5時まで計6回続き、生簀の中には50匹程度のハモが入っていた。
この日、同じく底びき網漁を操業していた『大勇丸』の若き漁師・大丸勇也さんも「ハモ漁は大好きです」という。ハモが網に入っていると、それだけで存在感があるので達成感が得られるそうだ。「経験を積んでもっとたくさんハモを獲っていきたいです」と語ってくれた。
夜が明けて宇島漁港に戻れば、休む間もなく次は出荷準備だ。漁獲したハモは、活かしたまま、船から1分とかからない『うみてらす豊前』1階にある『豊築漁協直売所「四季旬海」』へ運ばれる。ここで売られる魚は、ほんの数時間前に目の前の豊前海で漁獲されたものばかり。市場や仲卸を介することなく、まさに「直売」、「獲れたての魚」なのである。

『うみてらす豊前』1階の『豊築漁協直売所「四季旬海」』では、生簀で活きた魚介を販売。ハモもきちんと骨切りまでしてもらえるので心配なし。天候により入荷状況が異なるので、事前に問合わせしておでかけを
豊築漁協直売所「四季旬海」
豊前市宇島76-31
0979-64-6717